先に音楽の話したので、今回は、呼吸の話をします。
自分が初めてブレスを受けた80年代は、とにかく深く早く呼吸をするという事を強調していました。
呼吸を沢山すれば、それだけ効果がある。
プッシュして「頑張って呼吸をしてください」というアプローチでした。
今、自分がやっているのは、当時ほどプッシュしません。
理由は、二つほどあります。
まず、「頑張る」と緊張して呼吸が浅くなってしまうからです。
頑張って呼吸していると早い呼吸にはなりますが、呼吸が浅くなってしまい、結果として呼吸量が減ってしまいます。
リラックスして深い呼吸をしている方がより深い過呼吸状態になります。
体験的に気が付いたのは、初めてのタントラの時に、全身、特に腰を滑らかに動かして深く呼吸をすると、強烈な過呼吸状態に入りました。
それまで5年もブレスをしていたにもかかわらず、本当に深い呼吸ができていなかったのです。
次に、一人一人プロセスが異なるということ。
見ていると、本当に浅くしか呼吸できない人がいます。
しかも、しばらく呼吸をしていると寝てしまう。
でもそれは、今、その人ができる一番深い呼吸だったりします。
呼吸の回りには、本当に沢山のショック記憶されていて深い呼吸は、そのショックに触れていきます。
最初は、まともに呼吸できないのが普通なのです。
呼吸を思いだしてもらうため、体に触れたり、声を掛けたりします。
しかし、それでも眠ってしまうのであれば、それは全くOKなのです。
呼吸により意識的、無意識的に浮上した過去のショックは、劇的な事がなにも起きなくても、ただそこまで行って、ショックに触れるだけで変わっていきます。
ブレスの後も、プロセスは続いており、次のブレスでは、もう少し深く呼吸ができるようになっています。
そういう事例を繰り返し見て来ました。
実は、「もう少し呼吸できないかな」と提供側としては、焦りを感じる事は、多いのです。
なにかしたいという思いを抑え、一人一人のプロセスを信頼して待つことが提供側の役割なのだと感じています。